大判例

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東京地方裁判所 昭和45年(借チ)1037号 決定

〔主文〕1 申立人が、別紙目録記載の建物につき別紙図面赤線部分の土台を取り替え、これにともない柱の補修、取替をなすことを許可する。

2 申立人は、相手方に対し、金八万円の支払をせよ。

〔理由〕(申立の要旨)

1 申立人は、亡高橋啓次郎から昭和一四年一一月一日別紙目録(一)記載の土地(以下本件土地という。)を非堅固建物所有の目的、期間二〇年の約で賃借し、同地上に同別紙目録(二)記載の建物を所有している。

2 本件借地契約は昭和三四年一一月一日合意により更新され、残存期間は昭和六四年一〇月三一日までである。

3 本件借地契約には一切の増改築を禁止する旨の特約がある。

4 高橋啓次郎は昭和四〇年一一月二七日死亡し、相手方は相続により賃貸人の地位を承継した。

5 申立人は、本件建物に主文掲記の如き改築を施したいが、相手方の承諾が得られないので、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。

(決定理由)

1 本件の資料によれば、申立の要旨として掲げた前記1ないしの4事実のほか、本件改築は土地の通常の利用上相当であると認められるので、本件申立は、これを許可すべきである。

2 附随処分

本件改築は、建物の規模に変化をもたらすものではなく、土台、柱の補修に止まるものであるから、財産上の給付は、建物の耐用年数の延長に基づく申立人の利益を考慮すべく、その額は、本件土地の更地価格(鑑定委員会の評価に従い3.3平方米当り二九万円とする。)の約0.3%にあたる八万円を相当とする。増改築許可にともなう財産上の給付は、鑑定委員会により区々であり、いまだ定着していないが、本件の鑑定委員会の意見は極めて高額であるので、従来の裁判例からして右の額を相当とした。

相手方は、昭和三四年一一月一日更新の際に更新料の授受がなかつたのであるから、財産上の給付には右の点を考慮すべきであるというが、財産上の給付に更新料授受の有無を考慮すべき理拠はない。

鑑定委員会は、賃料が低額であるから改訂すべきであるというが、本件改築により土地の利用価値が増加することもないので、現行賃料が客観的事情の変更により不相当となつたのであれば、当事者の協議により改訂すべく、協議が調わない場合には、訴訟により増額請求にかかる額の確定を求めるべきである。(小山俊彦)

目録

(一) 東京都世田谷区等々力六丁目四一番四山林(現況宅地) 214.87平方米

(六五坪)

同所同番一九

畑 (現況宅地) 409.00平方米

右二筆に跨る310.74平方米

(九四坪)

(二) 右地上所在

家屋番号 五三二番

木造瓦葺平家建居宅  一棟

床面積 61.98平方米

(一八坪七合五勺)

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